《MUMEI》 科学の暴走 4「あいつらも科学者か?」 「違うわ。彼らはスタッフよ」 「科学者はマキだけか?」 「あと一人。あとから来ることになってるわ」 「じゃあ、そいつが麻酔銃を持った軍隊でも連れて来るんだろう」 「絶対そんなことしない!」 強く言いきったマキだったが、内心では心配になってきた。アイの怪しい笑顔が浮かぶ。 (やりかねない…) マキは焦った。 「マキはそもそも何しにここへ来た?」 「何しにって、あなたに会いに来たのよ」マキは冗談っぽく笑いながら言った。 「そんな誤魔化しは通用しない。嘘言うなら裸にして拷問するぞ」 「人間かっ!」マキはムッとして頭を叩く真似をした。 オランウータンは大袈裟に仰け反る。じゃれ合っている場合ではない。 マキはかしこまって言った。 「本当のことを話すから、怒らないって約束して」 オランウータンは危ない目でマキの体を見た。水着姿の彼女はドキッとした。怖過ぎる。 「わかった。マキには怒らない」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |