《MUMEI》
科学の暴走 4
「あいつらも科学者か?」
「違うわ。彼らはスタッフよ」
「科学者はマキだけか?」
「あと一人。あとから来ることになってるわ」
「じゃあ、そいつが麻酔銃を持った軍隊でも連れて来るんだろう」
「絶対そんなことしない!」
強く言いきったマキだったが、内心では心配になってきた。アイの怪しい笑顔が浮かぶ。
(やりかねない…)
マキは焦った。
「マキはそもそも何しにここへ来た?」
「何しにって、あなたに会いに来たのよ」マキは冗談っぽく笑いながら言った。
「そんな誤魔化しは通用しない。嘘言うなら裸にして拷問するぞ」
「人間かっ!」マキはムッとして頭を叩く真似をした。
オランウータンは大袈裟に仰け反る。じゃれ合っている場合ではない。
マキはかしこまって言った。
「本当のことを話すから、怒らないって約束して」
オランウータンは危ない目でマキの体を見た。水着姿の彼女はドキッとした。怖過ぎる。
「わかった。マキには怒らない」

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