《MUMEI》
真理香の企み
不意に真理香の口角が上がった。


ん?


理由が分からず首を傾げる将貴。


「ねぇ、今夜は優しくやって。」


先程よりも甘い声を発して、
将貴に懇願する。


「なんで?」


将貴は更に首を傾げるしか無かった。


「優しくしてくれたら、
私も協力してあげる。」


「何に?」


「さあね。」


由里香はペロリと舌を出した。


「その前に梧城さんの言うことは絶対だからね。」


「だから何のことだよ?!」


「秘密。」


由里香はそう答えると、
再び将貴の首に絡み付いた。


「優しく…ね?」


「はぁ…わあったよ。」


将貴は軽く溜め息をつくと、
真理香に再びキスの雨を降らせた。

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