《MUMEI》

「なんだ、元気そうじゃん。」


「すいやせん。

中野から聞いたんすか?」


「ああ、珍しいじゃねぇか。

ワイルドチルドレンにやられたんだって?」


「へ?」


古賀は間の抜けた返事をする。


「確かに襲われやしたが、
返り討ちにしやしたぜ?」


「…何?」


「まあ、人数が人数だけに、
腕を一本骨折しやしたが。」


学生相手にかたじけねぇ!
と、電話越しに古賀が笑う。


「なんだ、俺の勘違いか。

なら別に問題ねぇな。」

ホッと胸を撫で下ろす。


「へぇ。

しかしそうでも無さそうなんすよ。」

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