《MUMEI》

「…そうか。

なら尚更好都合じゃないか。」


「はい?」


てっきり驚いて声を上げるだろうと期待していたのだが、
あまりの冷静っぷりに拍子抜けた。


「と言うことは、だ。

既に将貴の顔は割れているんだ。

お前が変装して探っている間に、
奴等はお前を血眼になって捜すだろう。

私とお前は探る時間がたっぷりあるって訳だ。」


「だったら…。」


将貴はムッとして反論する。


「だったら別に変装せずに、
そのまま乗り込んで口を割らせればいいじゃないですか。」


「駄目だ。」


「何故です!?」


「お前んとこの幹部が怪我したんだろ?」


「大したことは無いみたいですけど…。」


「だがその学校には奴等が何人潜んでいるかも分からないんだぞ。

無鉄砲すぎる。」


「……くっ…。」

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