《MUMEI》

「そんな熱くなるな。

いつもの冷静さを欠いているぞ。」


「…はい。」


しっかりな、と言う言葉を残され、
電話が終了した。


「あ゛〜くそ!」


将貴は天を仰ぎ、
両目を閉じた。


図星だ。


今の俺には冷静さの欠片もない。


イライラを募らせながら、
再度伊達眼鏡をかけ、
髪をぺったんこにした。


「何なんだよ、ワイルドチルドレン。

俺に何の用があるって言うんだよ!」


バンッ!!


隣りの壁を一発殴る。


壁は罅(ヒビ)が入り、
パラパラと破片が崩れ落ちた。


こうなりゃこっちにも考えがある。


密かな企みを抱きつつ、
教室へ戻ろうと足を向けた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫