《MUMEI》
メガバトル 1
オランウータンは眩しそうな目で手をかざし、遠くの空を見た。
「ヘリコプターの音」
「ヘリコプター?」マキも空を見た。「何も聴こえないけど」
オランウータンは真顔になると、立ち上がった。
「マキ。裏切ったな」
「またそういうこと言って」
マキは笑ったが、オランウータンは無表情のまま見すえる。
「え?」
「来い。おまんは人質や」
オランウータンの様子がおかしい。マキの腕を掴むと、大木に連れて行く。
「どうしたの?」
マキはオランウータンを信用して抵抗しなかったが、木の後ろに両手を回されたので慌てた。
「ちょっと待って何をする気?」
マキは両手両足を布で縛られてしまった。
水着姿のマキはもがいた。オランウータンが真正面に来ると、彼女の体をながめる。
「待って。あたしを裏切る気? 一生軽蔑するよ」
「人質は静かにしろ」
今度は猿轡を咬ます。
「んんん!」
マキは激しく抵抗したが猿轡を咬まされた。
(どうしたの? 怖い!)
何か考えがあってのことか。マキは身じろぎしながら、オランウータンの動きを注視した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫