《MUMEI》
メガバトル 2
オランウータンは厳しい顔でマキに迫る。
「人質はもっと怯えた表情をしろ」
「んんん!」マキは睨んだ。
(何なのよ急に!)
「何だその目は? 人質らしくないな。仕方ない。丸裸にしてあげる」
オランウータンの長い手が水着に伸びる。
「んんん!」
マキは慌てて首を左右に振り、怯えた目でオランウータンを見つめた。
「それでいい」
水着を剥がされずに済んだ。きっと何か考えのあることと、マキは信じた。
でなければあの友好的な会話は説明がつかない。
オランウータンはマキを背にして、急に動物らしく奇声を発すると、身構えた。
そこへアニマルがやって来た。ホークもいる。
(アニマル!)
マキは目を見開いた。やはり助けに来てくれたのだ。
オランウータンはアニマルに向かって威嚇の声を発する。
アニマルはマキの姿を見て顔色が変わった。
「野郎。ぶっ殺す!」

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