《MUMEI》

―ガウッ!!


ヘルハウンドが唸りをあげ、上空のレイヴンに炎を吐き出すが、僅かに届かない。


「相変わらずカテゴリーBとは思えないね。」


「どいつもこいつも凶暴だからな!」


羽の刃の雨を交わしながら、瀧も焔の矢を放つ。


空高く舞い上がりながら焔の矢を回避すると、急降下をしながら真空の刃をぶつけてくる。


「きりねぇな、仕方ねぇ、中に入るぞ!」


「なんか思惑に乗るみたいでヤだけど…。」


二人はそれぞれ窓や崩れた壁から中に逃げた。

悔しそうに鳴きながら、レイヴンは辺りを飛んでいる。


「これからどうする?」


「とりあえず上にー、ミツ!後ろだ!!」


瀧の声と背後からの殺気にその場を瞬時に離れる。


―ドゴォッ!!


激しい音と共にさっきまでミツのいた場所の床が粉砕されていた。

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