《MUMEI》 遠くから自分を呼ぶ声がする。 「気分はどうじゃ?ジャックや。」 「良好です。マスター。」 人工の瞳孔が目を開けると同時に照準を合わせる。 「マスター?何かお痩せになってませんか?」 「ふふ、そうかもしれんのう、儂の全てをお前に注いだからのぅ、今一度自分をよく見てごらん。」 そうして促されるままジャックは鏡と向き合った。 元々の自分の姿と変わりない、が、皮膚も瞳も肌も、髪の一本一本まで、まるで人間と同じようだ。 「マスター…これは…。」 「可愛い儂の初めの息子の形はかえとうなかったからな…、パーツや皮膚、全てを最新型にした。これでお前も半永久的に生きられる。」 「ありがとうございます、マスター…あ、音声も…。」 「その通り!今のお前ならカナリアにも負けぬ歌が歌えるぞい。まぁお前は設定が男じゃからあの高音は出んがな。」 「マスター…ありがとうございます、それで…お別れはいつに…。」 前へ |次へ |
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