《MUMEI》
策略2
ポン…


軽く音を立ててボールが落ちた。


だが…それはゴールの手前。


そのボールを相手チームのディフェンダーが、
今まさに蹴ろうとしている。


終わった………。


左コーナーからシュートを放っていた俺は、
まだその場から一歩も動かずそのまま崩れ落ちた。


後半残り3分。


もうチャンスは無い。


例えロスタイムに突入しても、
激しい攻防戦で終わるだろう。


PK戦に持ち込まれたらそれこそ勝ち目はない。


元々俺と先輩がいなかったこのチーム。


守りは屈強でよくリーグ戦では上位に食い込んでいた。


だが準決勝など、
上位に勝ち進むにつれて守りだけではPK戦で惨敗を帰するなど、
悲惨だったらしい。


PK戦は流石に先輩と俺でどうにか出来るもんじゃない。


俺はまだボールを見たまま、
絶望の二文字を背負っていた。


ダンッ


その時だった。


もの凄い速さでボールが角度を変えて、
ゴールしていた。


……何が起こったんだ?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫