《MUMEI》 臆病な強者ザワ… 「…終わったな。」 ザワ… 「これ以上見てもしょうがないね。」 ザワ… …………… 赤高スタメンがベンチに下がると共に、 席を立つ一部の観客。 それは、 この時点で勝負がついたことを理解した者たちだった。 ハンドボールを知らない応援席に座る観客たちには、 この試合もまだ面白い物だったかもしれない。 が、 ハンドボールをよく理解している者たちにとって、 この展開は興醒め。 まだ体も技術も未熟な控えの1年生を出す余裕を見せるチームと、 体力と気持ちの切れ始めた崩壊寸前のチーム。 あとはただただ時間を消費するだけ。 1年生に経験を積ませる為というチームの事情など、 はたから見れば実のところ何の興味もない。 ここから追い付かれるのでは? 良い勝負になるかもしれない。 という期待も、 先に出場していたスタメンの実力を見ればわくはずもなかった。 …………… ザワ… 「…ふん。」 ザワ… 「どこ行くんだよ?」 ザワ… 「外。」 ザワ… 「はぁ?だってまだ…」 ザワ… 「関係ね〜だろ。」 ザワ… 「おい猪狩…」 ザワ… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |