《MUMEI》

「ヤマトさん俺…」



「凄かったね〜ッ!!!!!」



「ん?」



猪狩の声を遮るように、


たくさんの声が入り口から聞こえ始めた。



「…終わったか?」



ヤマトたちの目に映ったのは赤高の生徒たちが会場から外へ移動する様子。



「準決勝まで何するんですか〜?」



「さすがにバスん中で待つのは勘弁っすよ。」



ぞろぞろと移動する赤高の生徒たち。



「勝ったみたいだな。」



「まぁ…
そりゃそうでしょ。」



「これで4強か…」



「猪狩。」



「えっ…」



「終わったみたいだし俺は中行くぞ。


お前も一応団体行動してんだからあんま勝手してんなよ。


んじゃ…


あっ…とボールボール。」



「あっ…」



ヒュッ…



ヤマトにボールを返す猪狩。



「んじゃな。
先生は準決も見てくんすか?」



「そのつもりだ。」



「あいつらには?」



「いや…会えないな。


今日は学校関係者が多すぎる。


遠くの席から試合だけ見させてもらうさ。」



「ふ〜ん…」



「悪いな。」



「いえ。」



「…」



ヤマトと西野は会場に戻り、


猪狩はその場に座りこんだ。



(あいつらが…4強…)













……………













『古田はお前のことも考えてたんだぞ。』













……………













(俺の…ことも…)

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