《MUMEI》
将貴の提案
「他の話じゃ対価になんねぇよな?」


「ああ。」


将貴は一つため息をつくと、
語り始めた。


「ワイルドチルドレンはとっくに知ってんだろ?」


「ああ、ただの学生集団だろ?」


「そうだ。

そいつらがこの学校に多数潜んでいる。

俺はそいつらを見つけ出して、
探るために転入して来たっつー訳だ。」


「意味わかんねぇな。」


ギンは眉間に皺を寄せて、
不満気に呟いた。


「ここは梧城組の領域のはず。

ワイルドチルドレンに黒龍は関係ねぇだろ?」


流石情報屋。


よく分かっている。


「大方、梧城組と何らかの契約を交わしてんだろ?」


「まあな。」


ここでふと将貴にある考えが浮かんだ。


「一つ提案がある。」


「なんだ?」


ギンは突然の申し出に眉を潜めた。

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