《MUMEI》

「同調しすぎると、人間はフェルの力を吸収してしまうんだよ。」

「…吸収?」

「フェルは、人間というかこの世界とかな、ここと理の全く違う世界の生き物だ。人外と言うか、魔法と言うか。
恐ろしく、人間とはかけ離れた力を持って、それを生活の基盤にしている。」

「魔法…を吸収するのか?」

少しだけ、明智はときめく。昔から、魔法には微かな憧れを持っていたから…

「そんな期待を込めた目で見るな。良いもんじゃねぇぞ。さっきも言ったろ?理の全く異なる世界の力だ。

それを不覚にも、
不本意ながらも、
無自覚ながらも、

あっちの力を吸収しちまってるんだ。まず魔法の様な力を手にする代償として、身体が壊れる。」

突然、教師の仮面を全面的に外して山男は酷い顔であいかわらず広がる真っ暗な空間をにらみつけながら声を荒らげる。

「…は?」

「…このまま生活してたら。な。」

明智にとって、少し期待も込められそうな話だが、山男は非常に不愉快だとも言うような力説を続ける。

「壊れる?って?」

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