《MUMEI》
交流会逆鬼ごっこ12
八坂椿視点


走り始めてすぐに、赤いレインコートを見つけた


あの身長…


「チッ、やっぱりテメーか、相羽」

「すみませんね、俺で。頑張ってくらい言ってくれませんか?」


何で俺が相羽なんかに


そもそも俺は基本的に俺しか応援しねーし


ま、誠なら


どうしてもって頼まれたら、仕方ねーからしてやってもいいけどな


それに


「お前がC組になんか捕まるわけねーだろ」


コイツはバスケ部のエースだ


そのスピードとスタミナを考えれば


普通クラスになんか捕まるはずはない


「俺だって、一対一なら勝てますけどね」

「女込みの一対二でも楽勝だろ」

「そうなんですけど…
失礼します」


相羽は俺に頭を下げるとすぐに走り出した


すると


C組集団が、追いかけてくるのが見えた


つーか


…何人いるんだ? コイツ等


それは、俺でも数えきれない程の人数だった


ソイツ等は夢中で相羽を追いかけていた


「おい」


俺を無視すんな

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