《MUMEI》
交流会逆鬼ごっこ19
第三者視点


一般生徒スタートから、三十分後


暁は無言でステージを降り


レインコートを受け取りに向かった


後ろから、風紀委員長と副委員長


そして、神澤がついてきていたが


それを暁は、気にする様子も無かった


暁が屋内に入ると


空気が変わった


スタート直後対応に終われていた皐月・和彦・相楽も含めた生徒達は、やっと対応が終わり、気を緩めたところだったのだ


「…雨具」

「…はい」


暁の対応をしたのは、和彦だった


暁は、透明なレインコートを見つめ


入口にいる神澤が既に着ている、黒いレインコートを見た


「ふうん」


小さな、呟き


場が、凍る


D組の中には、透明なレインコートをダサイと言い


怒り出す生徒もいた


「なるほど」


バサッ


暁は、透明なレインコートを広げ、着込んだ


その仕草に、その場にいた人間のほとんどが見とれた


見とれなかったのは、神澤位だった


暁が迷わずレインコートを着たという事は


D組の鬼が


誠が外にいると思っているからに違いないと、そう思った神澤は、暁を徹底的にマークした

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