《MUMEI》

男たちは真っ白になった頭をフル活用させながら、
目の前の男に注目する。


「おっと。」


黒付くめの男は落ちている女の制服を拾い上げ、
女に投げた。


その時見えた、背中の刺繍。


“黒龍のマーク”


金と銀、黒の糸で刺繍されたそれを見て、
男たちは予測から確信に変わった。


と同時に、止めどない冷や汗が首筋を伝う。


「ひい!!」


1人の男は腰を抜かし、そのまま後退りした。


「こ、黒龍の総大将が何故こんな所にいる!?」

将貴はすっかり恐怖で顔面蒼白になっている男を見ると、
ニヤリと笑った。


サングラスをしているため、
どんな目をしているかも分からない。


ただ、逆にそれがより威圧感を与えた。


将貴は肩眉を上げて、
不敵に笑う。

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