《MUMEI》
事故
事故なんだよ!

試合会場は静まり返った。

最悪だ。

なんで…なんで…



高校サッカー県大会決勝

1対0

俺達は勝てたんだ。

もう残り時間も終わりに近付いてた。

その時、後ろからスライディング、避けたら良いものを俺はダイヴした。

シュミレーション。

いや彼が退場すれば試合は決まる。

しかし…

突っ掛かる直前にジャンプした俺の足はスライディングしてきた彼の足首にめり込んだ。

嫌な音がして、笛が鳴った。

明らかなダイヴだったのか…審判は俺にカードを出す。

血の色の。

もう終わりなんだからと思った矢先だった。

スパイクが血の色で染まり、緑色のピッチにそれがうっすら広がっていた。

うずくまり、立てない彼に仲間達が駆け寄り、そして担架を呼び寄せる。








空が暗い。

なんでこうなっちまった?

うなだれながら見るスコアボードには2対1の文字。

俺の足には生々しい骨を潰した感覚、耳には悲痛に叫ぶ相手の声が残っている。

神は俺をどうしたい。

ちくしょう…

ちくしょう…

あぁ…消えてしまいたい…



彼は、常磐 真司はそう考える。

今日の事は全部嘘で、また朝からやり直す。

嫌な夢だ。

しかし彼は現実を知る。

血塗れのスパイクで片足を踏んづけるように強く押した。

急激な痛みに彼は現実を確認し、泣きじゃくった。



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