《MUMEI》

「誰だと聞いている。」


先程よりも一層、
将貴の声は低く響く。


「言え!」


「か!」


「か?」


「勝木先輩です!!」


男は堪らず、
悲鳴を上げながら応えた。


「勝木先輩?

と言うことはこの学校に居るんだな?」


「は、はい!」


やっとのことで将貴から逃れた男は、
息も絶え絶えで仕切りに肩を上下させていた。


「黒龍に歯向かうたぁ、
何を意味するか分かってんよなぁ?」


だが容赦無く、
将貴は3人の男に近付く。


「黒龍の頭、直々の報復だ。

有難く受け取れ!」


将貴はまず、腰が抜けてその場に座り込んでいる男目掛けて、
拳を振り下ろした。

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