《MUMEI》
メガバトル 10
ホークが笑顔で前に出る。
「とうとう秒の殺し屋ホーク様の出番か?」
ホークはマキを見ると言った。
「殺刀戦士ホーク様が本気を出したら猿なんか秒殺だ。マキ。このモンキーをあの世に送ってもいいか?」
マキは顔をしかめたままホークを見つめる。オランウータンは首をかしげるようなポーズだ。
ホークが笑顔で睨みながら指を差した。
「動物のふりはよそうぜ。言葉通じてんだろ。それともホントに日本語しか知らねえのか?」
ホークは喋るごとにエキサイトしてきた。
「コンニチワ。コンバンワ。フジヤマ。スシ。ゲーシャ」
「何をしている?」フランクが口を挟む。
「日本語だ」
「…オレが叩きのめすから、その間にマキを救出するんだ」
「お、オランウータン対キングコングか?」
ホークはフランクとタッチした。
「MSGがフルハウスになるな」
ついに最強のフランクが登場。オランウータンは、自分よりもはるかに大きいフランクを、無表情で見上げた。
フランクは高々と五本の指を上げる。これは力比べをしようという合図だ。
「いくら何でも無茶だろ」アニマルが言った。
オランウータンは恐る恐る長い手を上げた。そのがら空きのボディにキック!
オランウータンが屈むと背中に拳を叩きつけ、さらに逆水平チョップ!
バチーンという鈍い音。怯むオランウータンの脳天に手刀を振り下ろす。片膝をつくオランウータンの顔面にダイナマイトキック!
ダウンを奪った。
「ツエー!」ホークが感動する。

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