《MUMEI》

「ビーッ!!」



試合終了を告げるブザーが鳴る。



「ありがとうございましたッ!!!」
「ありがとうございましたッ!!!」



挨拶を済ませ、


ベンチに戻る両チームの選手たち。



「ふぅ…」



ベンチに置いていたタオル、


そして飲み物を取る秀皇の選手たち。



「何だ今のは?」



「え?」



「何がっすか?」



「最後抜いてただろ。」



「あ〜?」



「何がっすか?」



「とぼけてんじゃね〜ッ!!


最後の失点は明らかに抜いてたからだろ!!


お前らのプレーくらい見ればわかんだよ!!


大地!!義人!!


特におめ〜らだ!!」



「はぁ…わかりましたよ…」



「気ぃ抜いてたのは確かっす。


緊張感に欠けたんすよ。


大丈夫。


決勝では抜かね〜んで。」



「そそ。」



(バカどもが…)



「次負けたら決勝はないんだぞ?」



「負けね〜もん。」



「そそ。」



(自信…いや…


そうかもしれないがこいつらのは度を越えてる…


この後には準決勝…


わかってんのか?


1回負けた相手だぞ…


お前らがどれ程の選手だって言うんだ…


才能はある…



が…


ただ…それだけだ…


しかし今のこいつらに何を言っても無駄だろう…


それを理解させるのには長い年月が必要。


こいつらにはそれを教えることができなかった…のか?


ダメだ…


言葉が見つからない。


今ウチの最善の策は…


俺が、


こいつらの自信を支えることだ。)

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