《MUMEI》
夏休み
今日の母さん
やたら話すんだ

たいした話しじゃないんだけど

父さんが急に海外に行ったから
母さん、淋しいのかな?


その日の夜

母さんが3人でお風呂に入ろうと言い出したんだ

俺的には、ちょっと…

翔太 「俺、パスするね」

そう言って部屋に逃げたんだ

母さんと姉さん
一緒に入浴してた

…俺、まだ、どう対処していいかわからないょ

……

母さんと姉さん、遅くまで話し込んでたみたいだったけど

俺、先に寝たんだ

明日も試験だしね

……

夏休みに入って直ぐだった
父さんが交通事故で
足を折ったって連絡があったんだ!

母 「お父さん、たいした事 ないから心配するなって …仕事、続けるって言っ てたわ…」

母さん、心配そうに、そう言ったんだ

翔太 「大怪我じゃないのか もしれないけど」

「心配するなって言ったっ てムリに決まってんじゃ んか」

姉 「そうよ」
「帰って来ればいいのに」

母 「聞かないわよ…」
「お父さん、仕事は途中で 放棄しないもの…」

姉 「みんなで行こうか?」
「夏休みだしね」

母 「来るなって、お父さん に言われたわ」

「綾奈も翔太も、夏季講習 あるでしょ」

翔太 「母さんは大丈夫じゃ ん」
「俺達は大丈夫だから、母 さん、父さんのトコに行 って来なよ」

姉 「そうよ」
「翔太も居るし」
「簡単な食事ぐらい、私だ って作れるし」

「私たちの心配はいらない よ」

「お父さん、身の回りの事 も、不自由なんじゃない ?」

母 「そうねぇ…」

……

一通りの準備が出来て
母さんが、父さんの元へ向かったんだ

母 「戸締まりはキチンとす るのよ」

「何かあったら直ぐ電話し なさいね」

姉 「私たちは大丈夫よ」
「お母さん、迷子にならな いでよ」

翔太 「真っ直ぐ、父さんの 所に行ってよ」

「パスポートと、お金、気 をつけてよ」

母 「えぇ…大丈夫よ…」
「……」

「じゃぁ、留守、お願いね 」

……

母さんを見送った俺と姉さん

翔太 「大丈夫かなぁ、母さ ん… 」

姉 「大丈夫でしょ」
「母さん、語学にたけてる し、海外も慣れてるんだ もん」

翔太 「うん…でも、心配だ よ」

姉 「あっちには、お父さん も居るんだから」

翔太 「うん、そうだよね」

……

母さんから
無事、父さんの元に着いたと電話が来て

俺、ほっとした


俺が、母さんを心配してたと、姉さんが話したら
父さん、笑ってたって

俺も、父さんと話したんだ
父さんの声
元気そうで安心した

こっちは夜中だったからかな?
父さん、短めの電話で終わらせたんだ

留守を頼むぞ

と、父さんに言われた俺は
わかった、大丈夫だよ
父さん、ムリしないでね

俺達は大丈夫だから

そう言って、電話を終えたんだ

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