《MUMEI》
絶体絶命 2
アニマルはオランウータンを軽々と抱え上げてシュミット流バックブリーカー3連発から、ボディスラム!
ダウンするオランウータンの胸板に顔面にストンピングの嵐。踏みつけまくる。
ホークが笑いながら余裕でマキの猿轡を解いた。
「大丈夫かマキ?」
「みんな野蛮人よ」マキは吐き捨てた。
「マキを助けるためだ」
それを言われると辛い。しかし、ほかに方法があったはずだ。オランウータンも含めて、ただ戦いたかっただけではないか。マキにはそう映った。
ホークはマキの手足をほどくと、腕を引いた。
「行こうぜ」
マキはアニマルとオランウータンを見る。
オランウータンが反撃のチョップ。アニマルがメガトンパンチ。オランウータンが張り手。アニマルがボディにキック!
「殺すの?」
「ダメか?」
マキはホークを見上げた。
「あたしだって殺されなかった。何もされてない。だから…」
「心配すんな」ハーリーが言った。「殺さない」
マキは唇を結び、ハーリーを見つめる。ボスのハーリーが言うなら大丈夫と思い、もう一度オランウータンを見ると、背を向けた。
ホークが腕を引く。
「先に船に戻るぞ」
ムッとした表情のマキに、短気なホークは聞いた。
「マキ。猿と何か喋ったか?」
「まさか」
マキはそう答えながら、内心はドキドキしていた。

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