《MUMEI》
絶体絶命 3
スタンが言った。
「人質がいないんだ。全員でやっちまおうか?」
「そうだ! アニマル無理するな!」ダスティが叫ぶ。
スタンとダスティとハーリーが来る。オランウータンはポカンと三人をながめた。
「舐めんな!」
怒ったアニマルがボディにキック! 屈むオランウータンだが、顔を上げると同時に緑色の霧を吹いて目潰し。
「あああ!」
アニマルが倒れ込んだ。オランウータンはその隙にハイジャンプ。木から木に飛び移った。
「しまった逃げられた!」スタンが悔しがる。
「大丈夫かアニマル?」
ビリーが聞いた。アニマルは両目をきつく閉じながら地面を拳で叩く。
「畜生。毒霧まで使うとは。絶対オランウータンじゃねえ」
しかしダスティは笑顔だ。草むらに隠してあったカメラを拾うと、勝ち誇った。
「みんな。今までのメガバトルはバッチリこの中に収められているぜ」
「本当か?」皆が驚く。
「少しは尊敬しろ」ダスティは威張った。
アニマルは複雑な顔をした。マキも映っているとなると、人質らしくない表情までカメラに拾われたことになる。
「……」

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