《MUMEI》
絶体絶命 4
マキとホークは、険しい山道を歩いていた。
「マキ。裸足で大丈夫か?」
大丈夫ではなかったが、マキは我慢した。
「大丈夫」
「おぶってやりたいが、キャラじゃないからな」
「……」
アニマルなら甘えていたかもしれないが、ホークの厳しい視線が怖くて、マキは馴れ馴れしくできなかった。
「抱っこはいくら何でもまずいだろ。気がついてみたら子どもが生まれていたら、アニマルとの友情もこれまでだ。GAHAHAHA!」
「おかしくない!」マキが赤い顔をして怒った。
受けなかった腹いせに、ホークは本題に入った。
「マキ。怒らないから本当のことを言え。あの猿と会話しただろ?」
「あたしは嘘はつかないわ」
「今は何世紀かって聞かれたか?」
「そんなもん」マキは笑って見せた。「目撃者の空耳でしょ」
二人はさらに進んだ。危ない道では黙って手を貸してくれるホーク。冷たいようで優しい。マキは少しホッとした。
「よく無事だったなあ?」
「気を失ってたから、その間に何があったかは、わからないけど」
「じゃあ、目が覚めたら木に縛られていたのか?」
「そうよ。どれくらい怖かったか」
ホークは少し考えてから聞いた。
「拷問されたか?」
「別に」
「ヤツは闘技場の戦士か?」
「知らない。そうなの?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫