《MUMEI》
絶体絶命 7
マキは両目を閉じて伸び上がる。
「さあどうする女の子?」
アドニスが斧を上げる。
「危ないからやめて」マキは汗びっしょりだ。
「降参かマキ?」
悔しいけど逆らえない。
「降参」
しかしアドニスはしつこい。
「マキ。女の子が敵に降参した場合、どういう意味合いを持つか。わかるな。子どもじゃないんだから」
マキは震えた。
「それは…」
「それは何だ?」斧で股をコンコン叩く。
「やめて、やめてください」
「じゃあ、もう一度聞くぞ。降参か?」
「許してください」
「降参か?」アドニスは斧をさらに上げる。
「あっ!」マキは爪先立ちになった。「やめて」
「降参か?」
「……降参」
「よーし」
アドニスは斧をしまうと、自らマキの腕を引いた。
「さあ来い」
マキはうなだれた。万事休すか。
(どうしよう…)

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