《MUMEI》
意地っ張り
夏期講習には通ったけど

食事はボイコットしてたんだ

朝も、昼も、夜も


お小遣で、立ち食い蕎麦とか食べてたんだ


母さんと姉さんの会話が聞こえた


母 「綾奈、翔太には知らな いって事にしときなさい って言ったでしょ」

姉 「いいじゃない、家族な んだし」

「そんな事で、怒る翔太が 変なのよ」

「裸を見せても平気な家族 なんだから、隠す事じゃ ないでしょ」

母 「…困ったわねぇ」

姉 「そのうち御飯食べるよ 、何日も、維持張ってら れないわよ」

母 「そうよね」

……

ムカつく…

絶対食わない!

……

俺の維持は、3日経っても続いてた


母 「翔太、いい加減にしな さい!」

翔太 「うるさい!」

母さんに、怒鳴った俺だったんだ

……

5日目

お小遣も、底をついて

昨日の夜から何も食べてなかったんだ

世間はお盆休み

夏期講習も休みだったから電車賃も貰えないし

いつもは、テーブルの上に電車賃、置いといてくれた母さんだけど

母さんも、維持なのかな?
冷蔵庫には食べ物いっぱい入ってるんだけど

お金は…


くそっ…

簡単に、直ぐ食べれる物が沢山入ってる冷蔵庫

絶対、食べない!

俺、かなり意地張ってたんだ


ベットに戻り横になってたんだ

お腹空きすぎて、寝れなかったけど…

……

トントン

ドアがノックされた

姉 「翔太、入るよ」

姉さんだった

翔太 「…」

姉 「一緒に食べない?」
「マック、買って来たんだ 」

翔太 「…」

いい匂いがした

ポテトの匂いだ

姉 「…ごめんなさい」
「そんなに、翔太が嫌だっ たなんて…」

翔太 「別に…眠いから、出 てってよ」

姉 「翔太ぁ…」

「一緒に食べようよ」

俺のお腹が、グウーッ
と、鳴ったんだ

姉 「私、謝ってるじゃん」

「もう、維持張らないでよ …」

翔太 「…母さんは?」

身体を起こして姉さんを見た

姉 「出かけてるよ」

翔太 「…」

姉 「あのね、他にも、謝る 事あるんだ」

翔太 「何!」

姉 「…見ちゃったの…」

「翔太のパソコンに入って たDVD…」

翔太 「えっ?!!」

姉 「ごめんなさい…」

翔太 「デリカシー無さ過ぎ だよ!姉さん!」

姉 「だって、心配だったん だもん」
「血が出たって、聞いたか ら…」

「あっ、お母さんには話し てないよ、DVDの事は」
翔太 「…」

姉 「…ねぇ、食べようよ、 一緒に」

翔太 「…」

姉 「謝ったでしょ、私」

翔太 「…」

姉 「翔太ぁ…」

翔太 「…姉さん」

「裸見せてよ、そしたら食 べるよ」

姉 「…」

翔太 「ダメなら食べない」

「俺ばっか、恥ずかしい思 いして」

姉 「…恥ずかしい?」

翔太 「マスターベーション って、ひとりエッチだよ」 「恥ずかしくないわけない じゃんかぁ!」

姉 「…私も、してるよ」

翔太 「えっ?…」

姉 「私も、たまにスルよ」

翔太 「そ、そうなの?」

姉 「うん…たまに、だけど ……」

翔太 「…どう、ヤルの?」

姉 「い、言えないょ…そん なの…」

翔太 「…俺の話しだけ聞い といて?」

姉 「だって…」

翔太 「…」

……

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