貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》幻想の終わり、旅のハジマリ
今日も空は晴れている。
雲なんて見当たらない。
そこには陰り無く、風のそよぐ小高い丘がある。
一一一、ごめん。
僕はきみを守れなかった。
だからせめて君の愛した日常を、取り戻すから。
一人の少年は涙を流し、ただその詞を繰り返す。
その顔はまるで、優しいセカイの対極を遷す鏡だった。
憤怒、悲哀、憎悪。
沸き上がる感情は止まらない。
いや、自分では、止められ、ないのだ。
矛先は定まっていた。
一一一奴等を殺す。
彼女が望まなかろうと、
決して止まりはしない。
罪を、償え。
罪など幾らでも背負おう。
罰など幾らでも受けよう。
だから力をください。
奴等を殺す力を。
喩え何があろうと絶対に敗ける事の無い『力』を一一一。
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
慟哭が天に消える。
もう、少年は墓石の前から居なくなっていた。
一一行こう、凶神の爪蹤。
旅のハジマリは、同時に甘い幻想の終わりを告げた。
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