《MUMEI》

姉さんにメールしたんだ

駅まで迎えに行く
ひとりにならないようにして

と、短い文だった


姉さんから、直ぐ返信があった

どうしたの?
何かあったの?

私、今、家に向かって歩いてるよ

俺、慌てて姉さんに電話したんだ

何処に居るの?!
直ぐ行くから!


あの伯父さん
昔、父さんと揉めて
父さんを殴ったの見てるんだ、俺

短気な人なんだよ

何事もなく
姉さんと合流して帰宅した

姉さんに、伯父さんが来てたと話したら
顔色が変わったんだ


父さんが、伯父に電話するみたいだった


翔太 「なんなの?」

母 「…翔太、暫く綾奈を送 り迎えしなさい」

「寄り道しないようにね」

姉 「…お母さん」

母 「ねんのためよ」

……

母さんも、姉さんも
何も話さないから…

何があったのか
わからないけど

母さんや姉さんを、困らせる奴は敵だよ


父さん、早く帰って来てよ

母さんの話しじゃ

来週には帰国するって言ってたけど

……

父さんが帰国する日

まだ、足が不自由な父さんを
母さんが成田空港まで迎えに行ったんだ

母さんが心配したような事は何も無かった

姉さんも、いつもと変わらず

けど、俺
夏期講習の帰りは
姉さんと待ち合わせして
帰ってたんだ

夕方帰宅した
姉さんと俺

玄関を開けた時だった

アツシ 「久々だなぁ」

姉 「アツシ…」

あの、伯父さんの息子だ

アツシ 「昔の事、ぐだぐだ 言いやがって」

「お前の親父が金貸さねー から、俺達は夜逃げだよ」
「ムカつく…」

姉さんの顔が
怯えた顔になってた

翔太 「…」

アツシ 「ちょっと、オマ〇 コ、触っただけじゃねー か」

「んな事で、グダグダ言い やがってよぉ!」

「だったら、マジ、犯して やるよ…」

姉 「…ぁ…嫌…」

アツシが姉さんの腕を掴んだんだ

翔太 「離せ!」

アツシ 「じゃかぁしい!」
「ガキ!引っ込んでろ!」

翔太 「離せ!」

アツシの腕を掴んで
姉さんから離そうとしたんだ

アツシ 「うるせー!」

ゴン…

殴られた…

口の中が、
鉄を舐めたような味がした
姉 「翔太ぁ!」

翔太 「…ん、なろぅ!」

俺、アツシに掴み掛かったんだ

アツシ 「おもしれー」
「翔太をボコルか」

ガン…

また、殴られた

アツシ 「おら、どうしたぁ 、中坊」

翔太 「姉さん、家に入って 、早く!」

姉 「翔太ぁ!」

翔太 「早く入れ!」
「鍵閉めろよ!」

そう、叫びながらアツシに飛び掛かった、俺

姉 「翔太ぁ!」

……

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