《MUMEI》

『わっ、何を…』

叫ぶラント修道師を
無視し、走るサルタ
ンの前に立ち塞がる
黒いマントの男達。

『チッ…挟まれてい
たのか。』

後ろ側からも、黒い
影が近付く。

サルタンは軽く舌打
ちして肩のラント修
道師を降ろし、自分
の背中に庇う様にし
て敵と向き合う。

『ソイツを渡せ。』

黒いマントの男が、
ラント修道師を指差
して言った。

『坊さん、アンタを
御指名だってさ、行
くかい?』

サルタンが愉快そう
に尋ねた。

『なっ、行く訳ない
でしょう?何を聞く
んですか、アナタは
全く、もう!』

『だってさ、フラれ
たねぇ、アンタ?大
人しく帰ったら?』

黒いマントの男に、
おどけて言うサルタ
ン。

ーービュン!
黒いマントの男が投
げた短剣がサルタン
に迫る。

ーーキン!
素早く腰の剣を抜き
短剣を弾き落とす。

『アンタ…気が短い
ねぇ、そんなんじゃ
女にモテねぇよ。』

剣で肩を叩きながら
不敵な笑みを浮かべ
るサルタン。

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