《MUMEI》

『無駄吠えする駄犬
は早死にするぞ!』

黒いマントの男が低
く言う。

その間にも、ジリジ
リとサルタン達に近
付いて来る。

『うへ、おっかねぇ
オッサン達だな。』

おどけながら、首に
提げた骨型の玩具を
口に咥えている。

『ちょ、ちょっと…
余り挑発しない方が
良いんじゃ…』

余裕を見せるサルタ
ンに不安げなラント
修道師。

『んーー坊さん、も
う少し待ってな。』


『?、貴様、何を…


黒いマントの男が、
問い掛けた時…

『ウワッ!ギャッ!


後方の黒いマントの
男達が悲鳴を上げ、
バタバタと倒れてい
く。

『な、何が起こった
?』

焦る黒いマントの男
の目に映ったのは、
三つの黒の影。


『よ〜、早かったな
、サル、キジ、イヌ
ご苦労、ご苦労!』


『アオーーン!』

サルタンと会話して
いた男以外の男達を
倒し、得意げに吠え
る三匹の獣。

それは黒い毛並みの
大きな狼だった。

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