《MUMEI》 二十歳のアツシに敵うわけもなく 玄関先でボコボコに殴られた… 近所の人が気付いて アツシは逃げて行ったんだ その、直ぐ後 父さんと母さんがタクシーで帰って来たんだ …… 俺、たいした怪我してなかったけど ねんのため、と 病院に行かされたんだ …… 帰宅した後も まだ、泣いてた姉さん 俺、聞いちゃいけない話しのような気がして 翔太 「先に寝るね…」 そう言って リビングから出たんだ お腹空いてるような気がしたけど さっき、殴られて しこたま嘔吐しちゃったし 今、食べても… …まだ、胃が踊ってるような感じがしてた… …… 翌日、俺も姉さんも 夏期講習を休んだんだ …… 伯父は、父さんに お金を借りたかったんだって 伯父さん 小さな会社の社長だったらしいんだけど 倒産したんだって 伯母さんは、もう、だいぶ前に亡くなってるし アツシは、 他の件で、警察に捕まったんだって 父 「もう、大丈夫だ」 「留守して、悪かった」 母 「いえ、お仕事ですもの 、私は大丈夫」 「翔太が…」 翔太 「俺は大丈夫だよ」 「姉さんが心配だよ」 姉 「…ごめんね…」 「私だけ、逃げて…」 翔太 「はぁっ?」 「何言ってんの」 「当たり前じゃんかぁ」 「アイツ、姉さんに悪さす るって言ったんだぜ!」 「逃げなくて、どうすんの さぁ」 姉 「でも…」 翔太 「俺が姉さんに言った んだろ」 「家に入れ、鍵閉めろって 」 姉 「けど…」 翔太 「あれでいいの!」 姉 「けど、私、何も出来な かった!」 「110番も、何も…」 姉さんが、泣き出しちゃった 母さんが、姉さんを抱きしめた 翔太 「いいじゃん、そんな の」 父 「あとは、私に任せなさ い」 翔太 「父さん、仕事、大丈 夫なの?」 父 「心配するな」 母 「綾奈、もう、大丈夫だ から…」 姉さんが、こんなに泣いたの…見た事なかった… 姉さん… 前へ |次へ |
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