《MUMEI》
湯治
伯父さん

脱税容疑で逮捕されたんだって

悪質だったらしいんだ

アツシは
盗難車、乗り回してらしい
犯罪者一家だよね

新関の中でも、浮いた人達だったし

誰も助けないよね


父さん、まだ、骨くっついて無いみたいだし

俺も、顔の痣が…

父さん、箱根の温泉に行くと言い出したんだ

湯治だとさ


決着も付いたし

父さん、やり残した仕事があるから
また、海外に行くんだって

恒例の、家族風呂

翔太 「父さん、足、凄い傷 痕じゃん…」

父 「縫ったからなぁ」
「年取ると、治りが遅くて たまらんよ」

母 「ムリ、なさらないで下 さいね」

父さんの足
怪我した方が細くなってた
父 「心配すんな、翔太」

翔太 「…うん」

姉 「翔太は大丈夫?」

翔太 「俺、俺は全然大丈夫 だよ」

姉 「…」

翔太 「前、隠せよ姉さん」

俺が視線を外すと

父 「何だ、翔太、まだ、恥 ずかしいのか?」

翔太 「当たり前だろ」

母 「翔太の怪我が軽くてよ かったわ」

父 「うん」
「そうだな」

「翔太、」

「お前の取った行動は、正 しかったと言いにくいが」
「父さんは、うれしいよ」

「翔太が真っ直ぐ成長して くれて」

「しっかり、姉さんを守ろ うとして」

「だけどな、翔太」

「助けを呼びなさい」

母 「そうよ…」

翔太 「わかったわかった」
「何度も聞いたよ」

俺、身体を洗い出したんだ
姉 「私のせいで、…」

翔太 「ストップ、」
「それも、何度も聞いた」

「もう、いいじゃん」
「終わった事…」

姉さんの方を向いて
そう言いかけた俺…

翔太 「…」
「足、閉じろょ…」

父 「何だ翔太、またか?」

母 「思春期ですものねぇ」

翔太 「からかわないで!」

姉 「…」

父 「母さんも、綺麗な身体 してるぞ」

翔太 「父さん!」

母 「お父さん」
「あんまり翔太をからかわ ないで下さいね」

父 「あははは」

「自然な事だよ」

「真っ直ぐな翔太なら」
「いつか平気になるさ」

母 「そうですね」


つ、辛い…

この、状況が…

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