《MUMEI》

温泉旅行から帰った
二日後

母さんが
父さんを成田空港まで送りに行ったんだ

足の骨折っても
仕事って休めないんだなぁ

俺、変わらず姉さんと一緒に夏期講習から帰ってたんだけど

今日は、姉さん
帰りに友達と会うんだって
だから
俺、ひとりで帰宅したんだ
夕飯前に、帰宅した姉さんだった


えっ?!…姉さん今日
告られたの?!


ファーストフードで男と会ってたんだって…


姉 「何となく、前からそん な感じはあったんだけど」
母 「あら、また、別の子? 、モテるわねぇ」

「綾奈は、どうなの?」

姉 「悪い人じゃないけど… 」

母 「返事、下さいって言わ れたんでしょ?」

姉 「うん…」

母 「ちゃんと、返事してあ げなきゃね」

姉 「うん…」
「ねぇ、お母さん、何て言 ったらいいかなぁ…」

俺、話しを聞いてたくなくて

翔太 「ごちそうさま」

自分のお皿を台所に運んで、部屋に戻ったんだ


姉さん、母さんとお風呂入ってるみたいだった


なんか、俺、イライラしてた


夜10時を過ぎた頃
姉さんが、俺の部屋に来たんだ

姉 「翔太、入るよ」

翔太 「なに?」

姉 「あっ、やっぱいじけて る」

翔太 「別に…」

姉 「お母さんが言ってたよ 、」
「翔太、気を使って、直ぐ 席を外すけど、その後必 ず不機嫌になるって」

翔太 「…」

姉 「前にも言ったでしょ」

「聞かれたくなかったら、 翔太の前で話さないよ」

翔太 「…」

姉 「なぁに?」

姉さんを睨んでた俺

翔太 「けど、母さん、俺を お風呂に誘わなかったじ ゃん」

「姉さんと二人で話したい からでしょ?」

姉 「…」

翔太 「いつも、母さんはそ うだよ」
「俺の事は姉さんにベラベ ラ話すのに」

「……」

愚痴だ…止めた、言うの

姉 「年上だからよ、私が」

「それに、お母さん、翔太 に聞かれたく無い 話しだ ったよ」

「お風呂で話した内用はね 、私は聞かれても、平気 なんだけどね」

「お母さんは、まだ、翔太 に話したくないみたいだ から」

翔太 「意味、わかんねー」

姉 「…翔太、静かに聞いて ね」

「私が、幼い頃、乱暴され た話し」

「お母さんは、翔太に話し てないから」

「だからよ」

翔太 「…そっか」

「姉さん、付き合うの?」

姉 「まさかぁ」
「どう、断るかお母さんに 相談したのよ」

翔太 「そっか…」

姉 「彼氏、欲しくないしね 、まだ、怖いよ」

「他人の男はね」

「付き合うなんてムリ」

「食事ぐらいならヘーキだ けどね」

「二人っきりでもさ」

翔太 「…」

姉 「どうしたの?」

翔太 「俺は怖くないの?」

姉 「うん」

翔太 「何で?家族だから」

姉 「…」

翔太 「ねぇ、姉さん」
「姉さんが、昔、何された か、俺、知りたい」

姉 「…」

翔太 「ダメ?聞いちゃ…」

姉 「思い出したくないんだ けどなぁ」

「…翔太、何で知りたいの 、その事を」

翔太 「わかんない」

「けど、何かつっかえてて 苦しいんだ…」

「俺が、こうなるの、母さ んわかってて、話さない のかも」

姉 「…違うと、思うけどな ぁ」

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