《MUMEI》
交流会逆鬼ごっこ28
「ルール違反にはならない」

「いや、なるだろ」

「俺が必死になってお前を捕まえようとして、『たまたま』そうなったなら、ならない」

「それは…

俺に、口裏を合わせろって事か?」


そんな事、できるか


「するさ、お前は」


暁は笑って、続けた


「鈴木とお前は『オトモダチ』、だろ?」

「っ! 先輩に、何をした!?」

「まだ、何もしていない」

「まだって何だ!」


虎之介先輩に何するつもりなんだ、お前は!


「その辺も説明してやろう。

いろいろ、早くしないと手遅れになるかもしれないぞ?」

「…早く、説明しろ」

「俺とやる気になったか?」

「いいから! 早く説明しろ!」


神澤はどうしたのか


虎之介先輩は、無事なのか!


「…安心しろ」


暁は、携帯を取り出した


「俺だ。…あぁ。…あ?…そうか。

お前等は、大人しくしてろ。

あぁ、交渉は成立した」


通話を終えると、暁は俺を見た


「待たせたな。鈴木の安全は確保した」

「本当だな。

…神澤は?」

「あいつも無事だ。そこも含めて説明する。

四分でな」


逆鬼ごっこの残り時間は、後五分らしい

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