《MUMEI》
バトルロイヤル 1
マキ。もはや万事休すか。全裸を大勢の男たちの前に晒すことになるのか。
そうなれば触りまくられ、最後は犯されてしまう。
「やめてください!」
マキはひたすらアドニスの手から逃げる。アドニスは面白がってマキのビキニの紐を引っ張っる。
両手を拘束されていては、逃げきれない。
そのとき。
サラサラサラサラ。草の音。
皆は当たりを見回した。
「何だ?」
マキとアイも草の音のするほうを目で追う。
音はマキに近づいていく。草むらをかき分け、巨大なオランウータンが現れた。
「ギャー!」
マキの近くにいた男たちは血相変えて逃げ惑った。オランウータンは真っすぐアドニスめがけて突進。
一撃必殺!
「がっ…」
血しぶきが飛んだ。アドニスが卒倒する。
オランウータンは素早くマキの戒めを解いた。
「ありがとう。あなた最高よ」
オランウータンが頷いた気がした。
アイは目を丸くして一部始終を見ていた。
「オランウータン? やっぱりいた」
マキはアイのもとへ走る。
「アイさん」
マキは素早くアイの手首をほどいたが、アイはお礼もそっちのけでオランウータンを指差した。
「マキ、オランウータンよ!」
オランウータンは大暴れ。逃げる男たちを追いかけ回す。
マクダニエルが怒鳴った。
「バカ! 戦え!」
「アイさん」マキは強引にアイの手を引いて逃げる。
男たちが後ろから追いかけて来る。マキの腰に抱きついた。
「捕まえた!」
「キャー!」顔面にエルボー!
「がっ…」
男が倒れた。マキは自分で驚いている。
「凄いじゃんマキ?」アイが喜ぶ。
だが感心している場合ではない。すぐに男たちに囲まれてしまった。
「まずい」
痛い目に遭わされる…。二人は緊張した。

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