《MUMEI》 海南ベンチ。 「…以上だ。 何かある奴はいるか?」 「いえ。」 「…」 (またベンチかよ…) 選手たちに伝えられたスターティングメンバーの中に、 古賀の名前はなかった。 それはいつものことだが、 この試合にかける思いが強かったのは、 何も千葉だけではない。 (桜井春樹… 去年の秋からずっと最強センターとか呼ばれてる男。 確かに俺が知る限りこいつ以上のセンターは見たことない… 悔しいけどな。 去年の高総体まではサイド… いくらセンスがあるとはいえ数ヶ月でそこまで行くとは思えない。 たぶん中学ん時はセンターだったんだ。) 「ちっ…。」 (そんな最強の男と戦うチャンスが、 ようやく訪れたんだ。 最初で最後のチャンス。 ぜってえ負けねぇ…) …………… 「ビーッ!!」 …………… ドクンッ!! …………… ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!! 「来たぁぁぁぁぁッ!!!!!!!」 ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!! …………… ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!! 「試合開始ってだけでこの騒ぎかい…」 ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!! 「それだけの試合ってことだね。」 ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!! …………… ドクンッ…!! …………… 「さ…て…」 (いよいよか…) 「最後に一言。」 海南ベンチ。 ブザーが鳴り、 大歓声が沸き上がる中、 海南監督が口を開く。 「?」 「昔から大好きな漫画でよ。 こんなセリフがあった。 そのセリフがかっこ良くてよ。 1回言ってみたかった。」 「なんすか?」 「…お前らは強い。」 「…」 「…」 「「「だははははッ!!!!!!」」」 「スラムダンクかいッ!!」 ※未来。 「…それ毎年言ってますよね?」 ※千葉。 「なははははッ!!!」 「はぁ…」 (この人は…) 「…っし。行ってこいッ!!!」 す〜っ… 「「「「「はいッ!!!!!!!!」」」」」 前へ |次へ |
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