《MUMEI》

「え……。」


まさかの将貴の反応に戸惑う彼女。


それでも突き刺さる将貴の視線を受けながら、
ゆっくりと手を動かした。


そして着替え終わると、
将貴はそれを待っていたかのように口を開いた。


「よし、じゃな。」


立ち上がって、ジーンズについた砂埃を手で払う。


「え…ちょっと待って下さい。」


女は突然帰ろうとする将貴を引き止めた。


「なんだ?」


「今さっき…厄介なことになったとか言っていましたけど、
それはどういう意味なのです?」


「ああ…。」


将貴は思い出したように唸り、
しばらくしてニッコリと微笑んだ。


「気にすんな。」

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