《MUMEI》

貴則は、空気が読めない


だから、周囲に馴染めない僕なんかに、声をかけて来たんだ


そのせいで、今では
唯一の友達だ


これで、二度目だ


貴則の空気の読めなさに救われたのは…






「えッッ〜〜マジでッッッ!?」


貴則のバカでかい声がファミレス内に響く


「…声でかいよ」


「…おぉ、すまん。…でも、俺が怪談マニアなのは、知ってるだろ?そんな話を聞かされちゃあ、テンションも上がるさ」


「…そうだっけ?」


「…おいおい。俺ら親友だろ?趣味ぐらい知っといてもらわにゃ困るぜ」


「ご、ごめん」



僕は、なぜか謝った

親友といわれて動揺したからだろう


でも、嬉しかった

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