《MUMEI》

「私はこの世界の案内人。貴女は選ばれたのです。この世界の住民として…」


彼は微笑みながら答えた。
それにしても、この世界とはどういうことだろうか?

まるで曖が居た世界とは違うとでも、言いたそうな言い回し…。


「この世界って…私が住んで居た世界とは違うの?」

「そういう事になりますね…。ですがご安心を、ここは夢の世界。自由に貴女方の世界と行き来が出来ます…。この世界でいくら過ごしても、貴女方の世界では貴女の寝ていた時間しか進みません」

「いくら過ごしても、時間は私の寝ていた時間しか進まない…?」

「えぇ、ですが注意がございます……こちらの世界での傷、病はあちらの世界にも影響します。もし、貴女がこちらの世界でお亡くなりになられた場合…あちらの世界でも、お亡くなりになられます。」


つまりは、こっちの世界で死んだらあっちの世界でも死ぬ、という事だ。

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