《MUMEI》 「これでよし。」 紙に何かを書き込む将貴。 身長差的に丁度中身が見えない優美は、 大人しくその光景を見守っていた。 「ほらよ。」 紙切れを優美に手渡す将貴。 「電話番号?」 紙には綺麗な数字が横に並んでいる。 「そ。 それ俺の携帯番号だから。 何かあったらかけてこい。 気分次第で助けてやっから。」 「え……。」 「ただし、それバレすなよ? バラしたらタダじゃすまさねぇから。」 「は、はい!!」 「ん。 じゃな、2度と会わねぇことを期待してるぜ。」 「はい!」 ぶっきらぼうだが、何処か優しい。 そんな将貴の優しさに触れた優美は、 さっきの恐怖も忘れて自然な笑みが零れていた。 「ありがとうございます。」 前へ |次へ |
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