《MUMEI》 将貴の葛藤「あーもしもし? わりーけどさ、俺の鞄持って来てくんね? そう、学校の。 ……ああ、体育館二階のベランダ。 そうそう。 裏側に置いてっから。 わりーな。」 ピッ 裏門を出て人通りの少ない道を歩いている中、 将貴は下っ端に電話していた。 「あー林? 今からこっち来てくんね? おう、学校の裏門辺りに居るから。」 そして違う奴に電話した。 その後。 「はぁ…何やってんだよ俺。」 その場に立ち尽くし、 空を仰いだ。 頭に浮かぶのは、 先程の木城優美との会話。 まさか見知らぬ女に自分のケー番を教えるなんて思いもしなかった。 前へ |次へ |
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