《MUMEI》
幕開け
「「「オフィス1本ッ!!!!!」」」



チャチャッチャチャッチャ♪



「「「オフィス1本ッ!!!!!」」」



チャチャッチャチャッチャ♪



「「「最強鉄壁ッ!!!!!」」」



「「「ディフェンスディフェンスッ!!!」」」



「「「ディフェンスディフェンスッ!!!」」」












……………













試合開始と同時に、


両校の応援陣が一斉に声を上げる。














……………













海南ボール。



「1本行こうッ!!」



センターが声を出す。



「ポスト入ったッ!!!!」



「ポスト真ん中ぁ〜!!」



ヒュッ…



セオリー通りパスを回す海南。



キュキュッ!!



狙いはずばりずらしからの突破だ。



が、



「ちっ…」



絶えず動く聖龍ディフェンスの前に、


突破は困難を極めた。














……………













観客席。


ザワザワザワザワ…


「理想的なディフェンスだ。」


ザワザワザワザワ…


「基本に忠実。
けど、実はこれが難しい。」


ザワザワザワザワ…


「どういうことすか?」


ザワザワザワザワ…


「ふぅ…


あんね?


ボール持ってる奴にチェック入れんのはもちろんだけど、


そっから考えられるプレーを同時に潰すことができればそれに越したことはないでしょ。」


ザワザワザワザワ…


「???」


ザワザワザワザワ…


「見てみ。
ボール持った選手にチェックが付く。」


ザワザワザワザワ…


「…ホントだ。」


ザワザワザワザワ…


「それと同時に他のディフェンスも動く。」


ザワザワザワザワ…


「あッ!!ホントだすげぇッ!!」


ザワザワザワザワ…


「チェック入った奴の両隣は6メートルラインに添って。


そのさらに両隣は前。


ボールが動いたらこれが逆に。


つまりディフェンスは常にジグザグに波を打つ状態になるでしょ?」


ザワザワザワザワ…


「確かに…」


ザワザワザワザワ…


「これでロングは打ちずらくなる。


突破されてもカバーが早くできる。


ポストのチェックも厳しい。


さて峰田。


どうしようか?」



ザワザワザワザワ…



「わ…わかりません…」



ザワザワザワザワ…



「…突破からカバーに入ったとこ付く。


ポストサイドに落とすとか。


それをフェイントにそのまま突破とか。」



ザワザワザワザワ…



「うん。


まぁそれもありかな。


ただ椎名。


そのプレー10回やったとして何回点取れる?」



ザワザワザワザワ…



「6…いや…良くても4がいいとこかな…」



ザワザワザワザワ…



「そんなもんだろ〜ね。


他の答えを何個も用意しなきゃ連取はできない。


連取ができなきゃ勝ちもない。」



ザワザワザワザワ…



「…」



ザワザワザワザワ…



「ま…大げさに言っちゃったけどマジでそれくらいやられたらヤバいわけよ。」



ザワザワザワザワ…



「…」



ザワザワザワザワ…



「さぁ千葉…


お前の用意した答え。


僕に見せてよ。」

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