《MUMEI》
プロローグ
※この作品は【Devil May Cry】と【魔法少女リリカルなのはStrikerS】のクロスオーバー作品です。苦手な人や批判・中傷する方は観覧を御遠慮ください。



プロローグ 『赤き狩人』

「魔力反応は?」
「駄目です、まったく反応がありません…。」

彼らは時空管理局に所属する魔導師達。彼らが居る場所は、あらゆる面で先駆けをしているミッドチルダで唯一『ゴミ溜め』と呼ばれている廃棄街。ホームレスや風俗、法を犯して管理局を辞めさせられた元魔導師達もいる、簡単に言えば『裏通り』の様な物である。

今彼らがこの無法地帯を歩いている理由。それは、ある『通信』が原因だった。

「しかし、また『悪魔』ですか…」
「まだ確定はできんが、その可能性が高いだろうな…。」


一年程前から、ミッドチルダでは共通した『怪奇事件』が続いていた。

始まりはある一つの陸戦部隊の任務中。
突如現れた、現在では『悪魔』と呼ばれる存在が部隊の前に出現し、交戦。しかし相手の的確な撃退方法が無く、倒しても倒しても現れる悪魔に陸戦部隊は遂に全滅してしまったのだ。
それが引き金になったのか、次々に管理局に所属する魔導師達が襲われ、つい最近は上位魔導師ら数人が惨殺されると言う事件が起こった。

そして今回も街を巡回していた魔導師から応援要請、『悪魔に襲われている』を最後に通信は途切れ、同部隊の仲間が探しに来たのだった。

捜索し始めてから約十五分、見つかる気配は無く

「仕方がないな。」

と、応援を呼ぼうとした時だった。

―――ァア゙ア゙ア゙…

「な、なんだっ!?」
「魔力反応を感知!数は約20、距離30mを切りましたっ!」
「なんだと!?今まで感知できなかったのか!?」

悲鳴にも似た声を上げる魔導師達。

探知魔法に掛かった『ソレ』は、夜の暗闇から徐々に姿を現す。
空中をふわふわと浮遊し、手には巨大なハサミ。顔に当たる部分には気味の悪い『仮面』を付けている。

この異形こそが『悪魔』であり、『デス・シザース』という下級の悪魔。
しかしいくら下級と言えど人間には『恐怖』の存在。熟練の魔導師でも、根源の感情を支配されれば体を自由に動かす事も出来なくなるのだ。

「だっ、駄目です!キリがありません!」
「っ、噂は聞いていたがまさかこれまでとは…!」
「ひいぃっ…!」

そして、隊長格の魔導師がデバイスを弾き飛ばされてしまう。
悪魔達は我先にと丸腰になった人間に襲い掛かる。


「うわああああああ!!」


一人の人間の断末魔が、闇に包まれた廃棄街に響き渡った。
しかし魔導師は死んではいない。寸前まで迫っていたハサミは宙を舞っている。

そして、目の前には一人の男。
背が高く、銀色の綺麗な髪に血に染まったかの様な赤いロングコート。両手には従来の二回りは大きな拳銃が握られている。


「中々ガッツあるじゃねぇか?」

そう言って振り向いた顔は二十代後半ぐらいだろう。しかし歳には不釣り合いすぎる程、彼の顔は余裕がある。『ポーカーフェイス』が一番彼に似合う言葉だろうが、それでもありえない。
何故なら目の前にいるのは『悪魔』なのだ。ただの人間では自殺しに行く様な物だ。
だが、この男は笑っている。気味が悪いほど余裕で、指で巨大な銃をくるくると回す様子は深く印象に残るだろう。

「さぁ、楽しい夜になりそうだぜ。
…そう思わねぇかい?」

二丁の拳銃を悪魔に向け、彼は不適に笑う。
悪魔をも恐怖する、悪魔を狩る男。


「『Let's Rock Baybe』!!」


闇夜に浮かぶ派手なライトの看板。
【Devil May Cry】…彼こそが『悪魔も泣き出す』、ミッドチルダに現れる悪魔を狩るデビルハンター、『ダンテ』なのだ。



次回 第一話『再会と勘違い』



誤字・脱字、『これは間違っている』と言う物があれば言っていただけると有り難いです。



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