貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
河野透  6
 彼女は一気に飲み干し、こちらを見つめる。
「おいしーっ。にしても暑いねぇ。ところでさ、1つ質問していい?」どうぞ、麗那さん。
「あのさ、透は"死"を欲した事はある?」…なんと唐突な。しかも率直で。
「私はあるよ。私自身で決められなかったんだから」…笑止!あまりからかうな。暑さで頭がオカシクなったか?
「私は正気だよ。自殺現場とか観るとさ、いいなぁって思うもん。それこそ吸い込まれそうなくらい」大丈夫か?ホントに。と言うか、死にたいと訴えているのか?コイツは。
「そういえば忘れてた。今日はお別れを言いに来たんだよ」告別のため?何故だ?
「理由は…すぐに解る。とにかく、ゴメン…」何を謝りに来たのかは知らんが、適当に流すぞ?と告げ、彼女の有無も聞かぬまま、テレビの電源を入れた。
 この時間帯、いい○もは既に終わっている。故に楽しみなんぞ…ない。と思っていた矢先、突如臨時番組に切り替わった。

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