《MUMEI》

風呂上がりに

父さんのビールをいたずらして一口飲んだんだ

翔太 「苦い…」

「何で、こんなマズイ物、 飲むんだろ?…」

父さん、笑ってた

そのうち翔太も好きになるわよ

と、母さんが言ったんだ


俺、口直しにコーラを一気飲みしたんだ


けど…

顔が熱い…


母 「翔太、真っ赤よ…」

父 「ビール一口でか?」

姉 「…あらぁ…子供ねぇ」

翔太 「…」

姉さん、やたら絡んで来る…

ちょっと、バカにされたような気がした


姉 「なにょ…」

俺が姉さんを睨んでると、姉さん、
喧嘩なら買うぞ、みたいな態度だった


父さんが、話しを変えたんだ

父 「そう言えば、翔太」
「体育祭だったかな?」

「あの娘、どうした?」

「交際してるねか?」

翔太 「…別に…」

母 「今はメールなのねぇ」 「昔はラブレターだったの にねぇ」

父 「女の子から告白される なんて、たいしたもんだ な、翔太」

翔太 「…」

母 「デートぐらい、したの ?」

翔太 「…公園で、話しただ けだょ…」

母 「どうするの?」

翔太 「ど、どうって…」

父 「返事、してないのか? 」

翔太 「…後で、いいって… 」

姉 「考えといてって言われ たみたいだよ」

翔太 「人のメール、見るな よ!」

姉 「だって心配だもん…」

「最近の翔太、エロいから …他所様の娘に、変な事 したら…」

翔太 「なんだよ!」
「変な事って!」

姉 「…変な事件とか止めて よね…」

「好きって言われたからっ て、OKじゃないんだよ」
翔太 「何が言いたいの?! 」

俺、姉さんに怒鳴ったんだ
母 「綾奈も、翔太もいいか げんにしなさい」

姉 「だって、翔太私や、お 母さんの裸みても、なっ ちゃう時あるじゃん…」

父 「そういう時期なんだよ 」

「だからと言って、変な行 動に出る男ばかりじゃな いさ」

母 「綾奈は、…ね…」

「心配するの、わかるけど ね…」

母さん、姉さんの、幼い時のアノ事を言ってるんだ…
姉 「…」

父 「異性に興味を持つのは 当たり前さ」

姉 「お父さんは、私の裸見 ても、平気でしょ?」

父 「娘だからな」
「そういう目でみなければ 何て事ないことなんだよ」
母 「翔太は、今、思春期だ から、余計意識しちゃう のね」

「綾奈、見られたくなけれ ば、ムリにお風呂一緒に 入らなくていいのよ」

姉 「私は平気だけど」
「露骨に、こっち見ないよ うにされるのもね」

翔太 「しょうがないじゃん かぁ!」

姉 「もっと、普通に話しし たらしたいよぉ」

翔太 「…」

父 「まぁ、そんなに焦らせ るな」

「綾奈だって、似たような 時期あったろ?」

姉 「そうだけど…」

母 「ジロジロ見られるのも 嫌でしょ?」

姉 「別に…見たいなら見れ ばいいのに」

父 「あっはっはっ」
「そうは出来ないよなぁ 、翔太」

「男には男の都合があるも んなぁ」

母 「綾奈がサバサバし過ぎ なのかしらね?」

姉 「他の人に見られるのは 嫌よ」

「まして異性なんて論外よ 、けど、家族だもん」

「父さんや、翔太に見られ たって、何て事ないわよ」
母 「わかってあげなきゃ」

「ね、綾奈」

「時間が必要な事もあるの よ」

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