《MUMEI》

その日の夜も

昨日と同じ

4人で寝たんだ


姉さん、また、触ってきた

…俺、姉さんの手を退けたんだ

翔太 「!…」

そしたら姉さん

俺の手を取って
自分の股に挟んだんだ!


な、な、なん、何で?!


姉さんに、抱き着かれたまま

朝を迎えた…


姉さん、爆睡してる…


その日は、シー、を廻ったんだけど

俺、超寝不足で…

父さんは昼間っからビール飲んでたし


母さん、たくさん買い物してるし


…早く、帰りたい…


ゆっくり、寝たいょ…


……

帰りの車は
母さんの運転だった


父さん、助手席で爆睡中


俺も、いつの間にか…


話し声が聞こえた


母 「大丈夫?」

姉 「平気よ」

…俺、姉さんの膝で寝てた
母 「男性恐怖症、治って来 たようね?」

姉 「そうでもないょ」

「お父さんや、翔太は大丈 夫だけど…」

姉さん、男性恐怖症?

母 「そう…」

姉 「心配しないで」

母 「うん、…」
「綾奈…翔太も平気なの? 」

姉 「…平気…」

「翔太が、やらしい目で見 てるの」
「前から気付いてたけど」

「翔太、私に危害加えない もん」

「翔太は優し過ぎるぐらい 、優しいから」

「翔太のおかげだよ」

「普通に、異性と話せるよ うになったの」

「女子校だけどね」

「友達の彼氏とか、やっぱ 話せないとね」

「中学の頃は、毎日苦痛だ ったもん…学校、行くの」
母 「そうね…」
「毎日、泣いてたわね、綾 奈…」

姉 「中2、ぐらいからかな ぁ」

「少しづつ、男子とも、話 し出来るようになってき たの」

「翔太の裸、見てたし」

「男の人の、性欲も」
「少し、理解出来て来たか らかな」

母 「よかったわ」

「けど、翔太は今、辛いみ たいね」

姉 「…見たいなら、見せて あげるのに」

「変に見ないようにしてる から、余計気になるのよ」
母 「恥ずかしくないの?」 「綾奈は」

姉 「お母さんは、恥ずかし い?」
「翔太に裸見られて」

母 「息子よ、」
「そんなに気にならないわ 」

姉 「でしょ」
「他人には、ムリだけどね 」

母 「見て良いって言っても 、翔太は見ないんでしょ うね」

姉 「そうかもね…」

俺、黙って寝たふりして
母さんと姉さんの会話を聞いてたんだ

姉 「お母さん」
「翔太が性器見せてって言 ったら見せる?」

母 「…そうねぇ」

「興味あるのは解るけど」 「それは、家族がする事じ ゃないわよね」

姉 「私ね」

「翔太を信じてないわけじ ゃないんだけど…」

「…興味本意で、翔太が女 子に手を出したらって…」
母 「そんな子じゃないわよ 翔太は」

姉 「うん…わかってるんだ けど、心配なの」

母 「心配し過ぎよぉ」

姉 「…うん」

母 「そうね」
「一度、翔太と話してみる わね」

姉 「うん」

……

車が急ブレーキを掛けたんだ

父さんも、起きた

母 「びっくり、したぁ」

父 「おいおい…」
「こっちだよ、びっくりし たのは…」

翔太 「…」

姉 「あら、翔太も起きちゃ った」

「膝枕代、高いわよ」

翔太 「…あっ…よだれ」

姉 「もう…」

姉さんがスカートを拭いてた

母 「ウインカーもつけない で、斜線変更してくるな んて…」

父 「…運転、ホントに上達 しないなぁ」

母 「…」

……

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