《MUMEI》 逆鬼ごっこ終了バキッ!! 「…え?」 目を開けると、目の前に、殺気丸出しの薫がいた 暁は… 両手で顔をガードした姿勢で、少し離れた位置にいた 吹っ飛ばされたというより、さっきの俺と同じように、衝撃を和らげる為に自分からその位置まで飛んだんだろう 両手を下ろした暁は 楽しそうに笑ってた 「誠」 グイッ! 「痛っ」 薫に返事をする前に、暁の方を向いてた顔を無理矢理薫の方に向けさせられた そして ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ! 思いっきり、唇の端を拳で擦られた! イテテテテテテ! ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ! 文句言いてーのに、言葉にならねー 「汚れたから」 ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ! それって 「俺はばい菌か」 ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ!! 笑いながら言った暁の言葉に、擦る力がますます強くなった だから、イテーから! いい加減に、しろ! 薫なら避けるだろうと思い、足を振りかぶる バキッ 「っっ!」 「え!」 「…」 予想に反して、俺の蹴りは 見事に、薫の股間にヒットしてしまった 前へ |次へ |
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