《MUMEI》
「それだけならこんな大事にはならなかっただろう。しかし、不運というものは重なるものだ。…彼らはある組織とつながりがあった。…イスラム過激派、アメリカを死ぬほど憎んでいる集団だ。そして、アメリカが世界に向けている核兵器と対抗する威力を持つそのウイルスは彼らの手に渡った。」
「そこからの展開は読めるだろう。彼らは喜びいさんでウイルスを培養し、実戦投入可能なレベルまで仕上げた。そして、手始めにアメリカの同盟国であるここ、日本の東京に向かってミサイルを打ち込んだわけだ。」
「東京?ならなんで風山町が被害を?ここは東京からかなり離れてるが…。」
横から口を挟む。予想以上にワールドワイドな展開でついていけない。
「そうだ。ここまでトントン拍子で進んでいた悪の計画もここでアクシデントが発生した。まず、ミサイルを発射したと言ったが、中東から極東の日本までミサイルを飛ばすような技術は彼らには無かった。だから協力者として日本の近隣国、半島の北に位置する某国を取り入れた。だが、その国のミサイル技術はお世辞にも優秀とは言えなかった。ミサイルが予定通りの動きをすれば東京都は丸々ゾンビシティーになっていただろう。大惨事だな。」
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