《MUMEI》 母さんと姉さんが 引っ越し 俺も父さんと引っ越したんだ 家族4人で住んでた家は 誰も住まない 抜け殻になったんだ …… 学校までの通学時間はちょっと増えたけど 下り方面だから 電車は比較的空いてた 見知らぬ街での新しい生活 だけど、俺的には何も変わらなかった 学校から帰っても 会う友達も居ないし ただ、部屋が変わっただけ ただ… 母さんが、居ない… 夜遅く帰宅する 姉さんの、気配すらない 当たり前だけどね 都心の高層マンションで 見晴らしは良いけど 窓を開ける事はなかった 新しい机 新しいパソコン 一応、受験生だしね 机に向かってるだけなら 何も変わらないよね 父さんは、毎日帰宅が遅いから 食事はコンビニやお弁当 生活費?として 父さんは家にお金を置いていってくれてたから 差し当たって不自由はないんだ だけど… 無性に淋しかった 心の中に、ポッカリ穴が空いたみたいだった …… 新しい環境にも慣れた 12月の半ば 姉さんから電話が来たんだ 久々に、姉さんと会話をした 初め、ギクシャクしたけど お互いの生活環境や 出来事を話してるうちに 昔みたいに普通に話せるようになってた 何時間も電話で話してたんだ それから度々 姉さんと長電話するようになったんだ 離れて暮らすと なぜか思いやる気持ちが増すような気がした 変なこだわりや 意地がなくなっていくと同時に 姉さんに対する思いが強くなって来てた 俺、何でこんなに姉さんが好きなんだろう? 電話を終えた後 切なくて淋しい気持ちになっちゃうんだ …… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |